換気システムの基礎知識

24時間換気はなぜ必要？

2003年以降、建築基準法で24時間換気システムの設置が義務化。室内の化学物質や湿気の滞留を防ぎ、カビ・ダニ対策、CO₂濃度の抑制など健康の土台になります。

換気方式の種類

• 第一種換気：給気・排気を機械で制御。熱交換で省エネ性に優れる。
• 第二種換気：給気は機械、排気は自然（住宅では稀）。
• 第三種換気：給気は自然、排気は機械。初期費用が抑えやすい。

本記事は採用例の多い第一種と第三種に焦点を当てます。

第一種換気システムの特徴

メリット

1. 熱交換で省エネに貢献：外気導入時に室内排気と熱交換。暖冷房のロスを低減。
2. 安定した計画換気：外気条件に左右されにくい。
3. 花粉・PM2.5対策：高性能フィルターの活用で空気質を向上。

デメリット

1. 初期費用が高い：機器・ダクトのコストがかかる。
2. メンテが必須：フィルターや熱交換素子の清掃・交換が必要。
3. 停電時の機能低下：機械依存のため換気量が落ちる。

第三種換気システムの特徴

メリット

1. 初期費用が抑えやすい：シンプルな構成。
2. メンテナンスが楽：給気は自然で、主に排気ファンの清掃。
3. 停電時でもある程度の換気：自然給気が主体。

デメリット

1. 外気温の影響を受けやすい：夏暑く冬寒い空気がそのまま入る。
2. 粉じん対策の限界：給気口の簡易フィルターでは性能が限定的。
3. 気密性能に依存：隙間が多い住宅では計画換気が乱れやすい。

第一種と第三種の比較表

暮らし方別のおすすめ

第一種換気がおすすめ

• 高気密・高断熱の新築を予定している
• 冷暖房効率を最大化したい
• 花粉症やアレルギー対策を重視
• 長期の快適性・省エネを優先

第三種換気がおすすめ

• 初期コストを最優先したい
• メンテナンスを簡単にしたい
• 温暖な地域での居住を想定
• シンプルな設備構成を望む

専門家からのアドバイス

• 総合コストで判断：初期費用だけでなく、10年スパンの電気代・フィルター費用を試算。
• ダクト計画が肝：第一種はダクトの断熱・気密が性能を左右。
• メンテ性を図面で確認：フィルターに手が届くか、交換周期はどれくらいか。
• 騒音・風量の実測：完成時に風量測定・騒音確認で体感差を最小化。

よくある質問（FAQ）

Q. 第一種は電気代が高い？

A. 消費電力はかかりますが、熱交換で暖冷房ロスが減るため、年間トータルでは有利なケースが多いです。

Q. 第三種でもフィルター強化はできる？

A. 市販の給気口用フィルターで一定の効果はありますが、圧力損失で給気量が落ち過ぎないよう注意してください。

Q. 花粉の時期だけ第一種に切り替えたい

A. 方式を切替えることは現実的ではありません。季節運用でフィルターグレードを調整する方法が現実的です。

Q. メンテ周期の目安は？

A. 第一種フィルター：1〜3カ月で清掃、6〜12カ月で交換が目安。第三種の給気口・排気口も季節ごとに清掃しましょう。

まとめ｜第一種と第三種の違い・おすすめ

• 第一種：省エネ・空気質・快適性を重視する人に最適。
• 第三種：初期コストの低さと簡便さを評価する人に向く。
• 住宅性能（C値・UA値）とライフスタイルに合わせて最適解を選ぶのがコスパ良し。

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